2001.02.15 
元ネタ(毎日インタラクティブより)
■有線ブロードネットワークス、100Mbpsを4900円で

BROAD−GATE 01のトップページ 有線ブロードネットワークスは14日、光ファイバーによる常時接続の広帯域高速通信サービスを3月1日から開始すると発表した。宇野康秀社長は会見で「民間企業として、日本の高速通信インフラ整備の一端を担っていきたい」と述べ、東京都内を皮切りに順次提供エリアを広げ、2003年には全国主要都市でのサービス提供を予定していることを明らかにした。同社は最大100Mbpsの広帯域通信サービスと、映像・音楽・ゲームなどの豊富なコンテンツ、家庭向けの月額利用料金4900円という低料金設定を武器に、2005年8月には200万加入を目指す。

 サービスは、子会社の第1種通信事業者、ユーズ・コミュニケーションズが提供する通信サービスを通じ、コンテンツも含めて「BROAD-GATE 01」のブランド名で有線ブロードネットワークスが販売する。利用料金は家庭向けの「Home 100」が月額4900円、企業向けの「Office 100」が9800円。家庭向けは5台まで、企業向けは10台まで端末接続できる。最大100Mbpsの通信速度(上り下り対称型)で、企業向けにはこのほか端末10台ごとに6000円の追加料金で接続できる「Office 100プラス」を提供する。サービスを利用するには月額利用料金のほか、専用モデム使用料として月額900円、コンテンツ基本料月額300円が必要になるため、家庭向けでは月額利用料金が計6100円となる。

 コンテンツ「BROAD-GATE 01」は、300円の基本料金で、約40アイテムの無料コンテンツが「STATION GATE」で受信できる。このほか、有料で映画、音楽ダウンロード、ビデオ、ゲーム(当初無料体験版を配信)などのコンテンツを提供する。利用者は専用コントローラでコンテンツを選ぶことができる。

 3月1日からは、2000年10月から開始している世田谷区などでの実証実験エリアを中心にサービスを開始。10月には東京23区と政令指定都市に営業区域を広げ、2003年4月に全国主要都市でのサービス提供を予定している。この結果、2002年8月には40万件、2005年8月に200万件の加入獲得を目指している。

 光ファイバーによる常時接続サービスは、NTT地域2社が2000年12月26日から試験サービスを提供している。今後、FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)によるブロードバンドサービスが本格化することで、インターネット利用が大きく変わる可能性に加え、企業間の競争が激化することが予想される。
考察
 いよいよ、有線が本格始動し始めた。これまでにもサービスの概要は様々な情報となって出てきてはいたが、開始区域も含めた具体的な方策が打ち出された。その圧倒的な速度と他の追随を寄せ付けない価格設定は驚き以外の何者でもない。そこで我々の業界内で囁かれる有線に対する否定論等含めて検証したい。

■彼らは何を企んでいるのか?
有線はIT業界においてISPインフラとしての独占的地位確立のみを狙っているのだろうか?答えはNOである。彼らは元々音楽放送から身を起こし、いずれは映像放送への進出を目論んでいた。そこには法規制の問題があったり技術的な無理があったりしたが、インターネットを利用することでそれらは解決する。インターネットの世界は無秩序である。現実の世界で放送を実施するためには法の規制や電波の割り当て等々、およそ素人が手をだせる構造ではない。しかしインターネットでは誰でも簡単に放送事業を開始することが出来る。これが今ひとつパッとしないの要因の一つは「放送と呼ぶにはあまりにお粗末な映像品質」が挙げられる。いくら高速化が進んだとはいえ現状のブロードバンドでは放送帯域にはほど遠い。しかし、100Mbpsあればどうだろうか?以前に有線の「Gate01」に関する記事を読んだが、MPEG2がストリーミングで配信できるのだそうだ。すなわち、これは放送品質すら越えることになる。彼らは明らかに放送事業者としての有料サービスを狙っている。現に「Gate01」は試験運用ではあるが、すでにそのサービスを開始している。また、このところ通信事業者の放送参入が密やかに進行している。それらはすべてインターネットという法規制の及ばぬ世界で「今のうちにやったモノ勝ち」が適用されている。NTT DocomonのM-Stageもそのうちの一つといえる。少なくともインターネットで多チャンネル放送をする環境が整いつつあるという事だ。しかも100Mbpsという速度はインターネットとしての速度は出るわけが無くその恩恵に与れるのは同社の網内のみである。しかしながら、放送利用を前提に考えれば網内のみ高速という環境の方が彼らには好都合なのである。

■有線の価格設定には無理がある?
 FTTHを考えた場合、我が社の山越エリアがそうであるように1世帯あたり1万円を割る価格設定は土台、経費割れである。有線も例外ではなく必ず必要な経費そのものが4,900円では回収できない。では彼らに未来はないのか?いやそうではない。前述したように彼らは「その先」を見据えている。インフラは「その先」のための手段にすぎない。これまでの蓄えと市場からの莫大な資金調達によって一旦、インフラを構築してしまえば、独占的な放送体制が整うのである。元々電柱無許可使用が当たり前だった彼らのこと。独自のソフト調達で強引な放送使用をすることによって利益を捻出していくであろう。

■我々の今後
 ここまで敵勢有利な論理を展開してきたのだが、実は今回に限ってはCATVに展望も見えている。彼らが狙っていることはすでにCATVでは実現されているということである。インターネットの向こう側に放送を目論む彼らに対し、我々は放送を基盤にインターネットを展開しているわけでそのベクトルは正反対の直進性を持っている。しかしながら、結果的に両者が並んだときには単純な性能と価格の勝負となり、我々が不利になることは否めない。そのためにも確認しておかねばならない事項は次の2点である。
1.完璧なSTBの早期開発と運用
有線はPCがその主なプラットフォームになる。我々はSTBを手に入れることでテレビをプラットフォームに据える事が出来る。いくらPCが爆発的に増えたとはいえ、100%普及のテレビにはほど遠い。放送と通信のシームレスな融合をテレビ上で実現することがユーザーにより優しい環境を提供することになり、そこに勝機がある。
2.インターネット事業の観点をインフラからコンテンツへ変換
 殆どのIT産業はインフラ勝負に躍起である。CATVも他ならない。「よそより早く、安く」がそのテーマとなっている訳だが、ブロードバンドが当たり前になってきた今、コンテンツやアプリケーションでの差別化がキーとなる。インターネット界にはそのビジネスモデルがなく、インフラ従事者の目がソフト面に向いていない。今こそ、「どう使うか」に主眼をおいた将来展望を描くべきである。

というわけで前々からの持論がいかに正しいかを裏付ける展開となったが、「Q-ch.TV」の始動を含め、社内意識の改革と早期運用を目指さねば・・・