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なぜ違う?リハーサルと本番
ここで少し方向を変えよう。実はつい先日BBSに書き込みがあった。それは表題の「なぜ本番とリハーサルのモニタ−等の状態がちがうのだろう?」という質問だった。実際にはこの原因はあまりに多くいろいろな事が複雑にからみ合う為回答不可能とお答えしたのだが、これではプロとして向き合えてないなとの反省からなんとかまとめてお答えしてみようと思ったのが以下の記述です。些か長くなり且つ分かりにくい点もあろうかと思うがその点御理解の上読んでみていただきたい。又これに対する御意見、御質問がお有りの方はメールなりカキコなりで、お寄せいただければ幸いです。
リハ−サルではモニタ−も良く聞こえ、こりゃ具合いいと言う事で「本番ヨロシク−」本番になると特にモニタ−バランスが全然違いやりにくい事この上無し。バンドやって何度かステージの経験のある人ならか必ずこの様な思いをした人も多い事だろう。なぜこういう事になるのかを少し解説しておこう。但しこの場合一流のプロミュージシャンのライブのようにバンドはワンマン、モニタ−専用のコンソールとオペレ−タがついてしかもプレ−ヤ−の横には各楽器のモニターバランスを調整できるキュ−ボックスがついて、というような条件の場合は以下の解説にはあてはまらない。あくまでもアマチュア対象の集合GIGに関してのことである事をお断りしておく。それともう一つ、リハーサルと本番を全く同じにする事は不可能だという事を頭にいれといてほしい。其の上でいかに近づけるか、または、少しでも改善する為の対処方法を考えていこう。
*リハ−サルと本番が違う理由と其の対処法*
其の1, リスナ−一人に付いて約1ワットの音量が吸収される。
音はその性質上、反射したり、吸収されたり、屈折したりするのは御存知だろう。問題はこの音の吸収作用 だ。リスナ−一人で約1Wの音を吸収すると言われている。リハーサルでは殆どの場合リスナ−はいない。こ
の同じ会場で演奏した場合、フロント側会場に出ている音はわずかな吸収を除いて其の殆どが反射してステージ上に廻り込んでくる。本番で仮に200人のリスナーが居たとすると200Wはこれに吸収される訳だ。従ってフロントからの音の廻り込みは殆ど無くなる。当然ステ−ジ上は聞こえずらくなる。通常PAオペレータはリスナーの数によって音量をあげる配慮をするが、余り上げ過ぎるとリスナーの耳に歪みを発生させる為にこれには限度がある。これの対処方法としてモニターの音量を上げてもらうと良いのだがこれもハウリングとか音がグジャクジャになって余計利きずらくなるという事もあるので余りお勧めできない。
<モニターセッティングの裏技>
そこでこのモニターセッティングについてのウラワザを伝授しよう。通常PAオペレータへのモニターの要求は常に音量を上げろという事ばかりで言われるままに上げていくと各メンバーが自分の聞きたい音(殆どの場合自分の楽器の音か、声)どんどん上げろと要求してくる。音は益々グジャグジャ、挙げ句の果てにお約束のハウリングで「いいかげんにしろよ!」とオペレータをお冠にしてしまう。ではこの反対ならいいのか?
そのとうり! 本来その昔にはPAにモニタ−なぞは無かったのだ。自分達の出すナマオトだけでバランスを取りVoさんにマイクロフォンが一本あるだけでコ−ラスの必要な場合は全員がそのマイクのところへ集まって演ったものです。それで下手くそだったか?冗談じゃ無い。上手かった。モニターなんぞ無い方がやり易い場合も多いのです。そこで裏技というのはこうです。リハ−サルの時にまずPAさんにモニターを一度全部さげてもらいます。一曲生音だけで演奏してみます。そこでどうしても聞こえずらかったりしたものだけ少しだけ上げてもらいます。これを各メンバ−ごとにくり返します。ここで大事な事は「少しだけ上げる」ということです。生音で聞こえずらかった分だけ上げる、つまり上げ過ぎて生音が聞こえなくなったのでは意味ありません。これで上手く設定ができるとステ−ジの上は結講静かで大声出せばメンバ−同志話しが出来る程度になるはずです。それからもう一つ。自分のモニターから欲しい音が聞こえないときは大抵の場合何かやたらでかい音のやつがある筈です。それを見つけだして下げてもらうのもモニターセッティングのコツです。そのあたりをオペレ−タに告げる場合は「このモニタ−のギタ−の音を少し下げて下さい。」というように具体的にハッキリと申し出る事は前述、りハ−サル編でも言ったとうり。試してみて下さい。
其の2 電気楽器アンプのVolumeのちがいからのもの
さて話を戻そう。バンドがたくさん出演する集合GIGの場合、アンプ類は備え付けの物で他のバンドの人と共用になる場合が多い。そこでリハ−サル時のセッティングをメモッたりして、本番時に同じセッティングにしたつもりでもホンの少しちがっていても、アンプというのは音の拡大器であるから、その少しの違いが何倍にも違ってくる。それをPAのコンソールで拡大され、パワーアンプで何百倍にも拡大される訳で、まさにこれは生死を分けると言っても過言では無い。この対処法としてはアンプのVolume(ボリュームのみならずイコライザーも大いに関係する。)の位置で目で確認する事はもちろんだが聴感上でリハーサルに近づけることを心掛けよう。
其の3 各メンバ−の立ち位置の違い
これも結構大きな要素。ライブに使われているような業務用のスピーカやマイクはスピーカやマイクはハウリングを防止する為に音を放出する角度が以外と狭い。従って立ち位置がちょっと違ったり、スピーカの向きが少し変わっていただけで聞こえ具合は大きく変わってくる。これもリハーサルの状態になるべく近ずけることが大切だ。特にこのような集合GIGの場合は他のバンドによってモニタ−の向きなど変わっている場合がある。特に3人編成のバンドの後など要注意。こういう場合はスタッフに頼んで戻してもらおう。
其の4 電気楽器やパワーアンプの時間経過による変化
特にパワーアンプ(当然ギターアンプ、ベースアンプ、キーボードアンプ等は含まれる。)は長時間つけっぱなしてフル稼動しており、しかも環境の悪い状態で使われるので(天から干しの野外ライブなど最悪)温度がどんどん上がってくると反比例して出力が低下する。(真空管アンプはある程度温度が上がらないと出力も弱いし音質も良く無いというものもありますが、これとて度を過ごすとやはり良く無い。)PA用のパワ−アンプなどは殆どの物に冷却ファンがついていますがそれでも場合によっては大形の扇風機を用意する必要すらある。
其の5 PAォペレータのセッティングの問題。
通常アマチュアの集合GIGの場合モニターはメーンのミキシングコンソールのAUXを使ってOut
putされる。これはフロントの音とは別個のミキシングをする為プリフェーダー(フロントの音はフェ−ダ−で調整する。)でOut
putされる。この場合6系統くらいのモニターをOut putする訳だ。ということはつまりDsさん用、Gさん用、Bさん用、KBさん用、Voさん用、それから総合的に両サイドからOut
putするサイドモニターで、これらのスピ−カに全く別々のバランスでOut putできる訳だ。従ってメンバーが5人いると5人x6系統だから30個のツマミを調整しなければならない訳で各バンド毎にこの設定はちがうからバンドが交代する度に設定をやり直さねばならない。10バンドも出場していればこれはかなり難儀な技だ。もっともその設定をメモリーしておいて、ボタン一発でその設定を呼び出せるミキシングコンソ−ルもあるが、40chくらいの物だと1千万を超える。(誰か買ってクデーーーーッ)従って最終にリハーサルをやったバンドの設定で殆ど通してしまう。だからこの手のGIGでは最後に長々とリハ−サルをやっているバンドがいて、不公平感を感じた人もきっといるはずだ。 これを解消する為に当方ではマトリックス表をバンド毎に作り、リハ−サルでOKのでたモニターバランスを記録、これにもとずいてバンド毎にセッティングを変更すると言う方法をとっている。従って当方のライブでは全バンド全く公平に20分づつのリハーサルでモニターバランスを中心にチェックする。だからバンド交代時には、何しろ30ポイントものセッティングを記録のとうりに変更するのだから一服つける暇も無い。当然トイレも行けない。ここまでやっているPA屋はまず無いと思われる。(この時に限って下らん事を話しかけて来るのが居る。バンドの交替時は絶対に話しかけないでもらいたイ。)但しここまでやっていてもちょっとのズレが大きな変化となるのは、前述のアンプ等の場合と同じ。以上5点、細かい事を言えばまだまだあるが、これらは何らかの努力で解消できる問題が多いので省かせてもらった。

リハ−サル
殆どの音は吸収されずステージに廻り込んで来る。
本番ステージ
リスナー1人について1Wの音がに吸収されてステ−ジ上には廻り込んで来ない。
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